私がFP協会の相談員を務めていたときのこと。
相談員の任期は2年、1回の相談に相談員は2名で担当します。
1年目や見習い、2年目は主担当として相談を行います。
相談員を務めるにあたってFP協会の方よりいくつかの注意事項の説明があり、その1つが冒頭の文書です。
FP相談に限らず、世の中ではお客様から話を引き出す(聞き出す)ことに重きを置いている仕事は多いです。
「聞き役に徹する」とか、「自分の話は3割、7割はお客様の話を聞く」など、聞くことの大切さについては痛いほどわかっているはず。
しかし、自分の専門分野、得意な分野の相談となると、相談員は饒舌になるものです。
相談員を務めた1年目は見習いだったこともあり、ひたすら主担当とお客様の相談内容を聞いてメモします。
あっ、これは話過ぎてお客様が少し引いてないかな?と思われることもしばしば。
傍からFP相談を見ていることはとても勉強になりました。
2年目は主担当なので気を付けていたつもりですが、住宅ローンや相続、不動産の相談の時はしゃべりすぎてしまっていたかもしれません。
相手が求めていることに応えること
相手が求めていないにも関わらず、相談員が押しつけのようにアドバイスする光景もありました。
おそらく、自分の得意分野のことでどうしても伝えたかった内容だったこともあり、聞かれてもいないのに自分から切り出したのだと思われます。
これも傍から見ているとよくわかりますが、お客様の耳には入っていません。
お客様の方がはるかに大人なので、「親切にありがとうございます。」と言ってくださいます。
おっ、気の利いたアドバイスが喜ばれたんだ、と相談員は勘違いしてしまうのです。
これもFP相談をじっと観察できる機会から学んだことです。
笑顔でハキハキ元気よく話すことに勝ることはない
お客様と初めて顔を合わせる瞬間、それは相談室に入室されるときです。
ドアを開けて入室される時、ムニャムニャと挨拶をして着席を促す相談員。
何だか先生と生徒のように相談が進みます。
生徒(お客様)が質問をして、先生(相談員)が答える、ということの繰り返しで、盛り上がっているようには見えませんでした。
一方、ドアを開けて入室されるお客様を満面の笑みで、「こんにちは!どうぞこちらへ」と言って着席を促す相談員もいました。
お客様だって初対面の相談員に会うわけだから、緊張している人も多いはず。
満面の笑みでお迎えするというのは効果抜群です。
その後の相談も初対面とは思えないように打ち解けた雰囲気で進んでいきました。
まとめ
誰かに伝えようと思って書いたわけではありません。
自分自身、一人で仕事をするのが長くなったこともあり、気を付けなければと思い返した次第です。
コロナ禍ではマスクをしていることもあって笑顔のパワーが伝わりづらかった。
私はよほどのことが無い限り、マスクを外しております。
マスクをしていると顔を覚えてもらえません。
それと、笑顔で元気よく挨拶するという得意技の威力が弱まるためです。