管理規約を読むことは、以下のような重要な理由があります。
義務の了解:管理規約には区分所有者とっての義務が明記されています。
これらの義務を理解することで、遵守することが求められているルールを把握することができます。
権利の理解:管理規約には区分所有者の権利が明記されています。
これらの権利を理解することで、適切なサポートや保護を受けることができます。
そして、多くのマンションは標準管理規約といわれている、いわゆるひな形書式を参考に作成されているため、項目に大きな違いはありません。
そのため、知りたい項目だけサッとみて確認するだけで、読み込むことはしない人も多いと思います。
そんなことではもったいない!
歴史のあるマンションの管理規約は、意外にも面白いのです。
管理規約の容認事項・承認事項を確認する
規約の最後の方に「容認事項」「承認事項」が記載されています。
これは、新築分譲時に購入者へ行った説明です。
ここを読むとどのような経緯で建設されたのか、周辺住民でどのよな配慮をしているのかなど、建物外観をみただけでは分からないことが把握できます。
実際の容認事項をいくつかご紹介します。
駐車場のうち、事業協力者2名について計2台分を、駐車場管理運営規則の規定にかかわらず、それぞれの駐車場として駐車場使用契約を締結の上、使用させるものとする。但し、事業協力者がその所有する専有部分を第三者に譲渡もしくは賃貸した場合、その駐車場使用契約は効力を失うものとする。
事業協力者とは、一般的には元地主です。土地を提供して、その代わりにマンションの部屋をもらうことになります。
分譲会社からみれば、地主は土地を提供していただける大事なお客様です。
そのため、事業協力者に特別な配慮をすることは珍しくありません。
先程の容認事項からは、地主2名が土地を提供して建てられたマンションであることが推測できます。
そして、2台分の駐車場を優先的に使用できる権利を持っていること、その権利は一代限りのものであることも分かります。
対象敷地のうち、北側隣接地に接する一部を隣地居住者が通路として使用できること。また、排水管等が埋設されており、当該家屋が存続する限り居住者が継続使用できること。
住宅地の中で大きなマンションを建築する際、隣近所との関係性はとても大切です。
本来であれば埋設管などもキレイに整理して建設すべきでしょうが、やむを得ない事情により近隣に配慮して建設したことが分かります。
対象物件の東側近隣住民のプライバシー保護のため、●号室、●号室の東側の窓の一部はワイヤー入り型板ガラスとして、さらにその外側に同素材の目隠しスクリーンを設置すること。また、将来これらを変更することができない。
プライバシー保護の観点から窓の仕様や目隠しをすることが決められていることは珍しいことではありません。
本物件建物のうち、隣接する2住戸を購入した場合、買主の要望により、建築基準法等関係法令に抵触しない範囲内で住戸間の界壁の一部に開口部を設け、2住戸を1住戸に変更する場合があること。
まれに、2住戸の室内が扉一枚隔てて繋がっていることがあります。
分譲時に2部屋を購入した人だけができる特別仕様ということですね。
ご紹介したものはほんの一部です。
管理規約はどのマンションも同じ、と決めつけずに最初から最後まで目を通してみてください。
購入時の参考になる記載が見つかるかもしれませんよ。