若い世代を中心に、中古マンションを買ってリノベーションをすることが多いと聞きます。
新築の画一的な作りの部屋を高いお金を出して買うよりも、古くても味のあるヴィンテージマンションを自分の好みに作り替えて住める。
それが新築の6-8割の値段になるというのだから合理的な選択といえます。
リノベーションをしたからといっても、マンションの共用部分は築年数並みの古さがあり、共用設備も新築並みというわけにはいきません。
その中でも特に気を付けておきたいので、電気容量の問題です。
一般家庭の電力容量は10-60A(アンペア)の範囲で電力会社と契約をします。容量が大きいほど基本料金が高くなるため、使用料に応じた容量の契約に見直すことで電気料金の節約にもなります。
電力容量を変更することによりアンペアブレーカーの交換が必要になりますが、電力会社の負担で交換してもらえるため、利用者はタダで電力容量の変更が可能です。
ここまではご存じの方も多いのではないでしょうか。
では、容量を上げることも自由にできると思っていいのでしょうか?
戸建て住宅では問題ありませんで、マンションでは上げることができない場合もあります。
マンションでは各戸が個別に電力会社から電気を引いているわけではなく、マンションの共用設備に電気を引き込んで、そこから各戸に分配しています。
そのため、共用設備の容量が少ないと、各戸に分配できる電力も少なくなります。
例えば、現在30Aの住戸を検討していて、すでにマンション内では容量の余力がない場合は、30Aを超える電気容量の変更はできないということです。
20-30㎡の小さなお部屋であればいいですが、60-80㎡のファミリータイプで30Aは容量が小さすぎて生活がしづらいでしょう。
リビングと子供部屋でエアコンをつけて、お風呂上りにドライヤーをかけたらブレーカーが落ちてしまう、ということでは不便でしかたないです。
マンション全体で容量に余力があるのかどうかは外形からは分かりません。
マンション管理会社が把握して注意喚起している場合もありますが、そこまで把握してない可能性もあります。
一番確実なのは、検討してる住戸の所有者に依頼して事前に容量を上げてもらうことです。実際に容量を上げなくても、余力がない場合は電力会社に問い合わせた時点で把握できます。
昭和50年代の中古マンションを買う方は必ず事前に確認することをおすすめします。
買ったあとに気づいたのでは手遅れになります。