中古住宅は一般の個人が売主となることが多いです。その場合、消費税はかからないので非課税となります。
一方、不動産の免許を持って(宅建業)商売として中古住宅を売っている場合、消費税が課税されます。
だからといって、わたしたちが普段目にする広告に記載されている販売価格とは別に消費税がかかることはありません。業界ルールとして総額表示(税込み)として広告に記載することになっているためです。
ところで、もし消費税が課税される中古住宅が5,500万で販売されていた場合、税抜き価格は5,000万ということになり、買った瞬間から資産価値が大幅に目減りしてしまう!と思った方もいらっしゃるかと思います。
消費税が課税されるのは建物部分となり、土地部分は非課税です。そのため、売買価格全体をもとに消費税の計算をすることはありません。
先ほどの例だと、5,500万(税込)は土地と建物の内訳があります。
- 土地:4,400万
- 建物:1,000万
- 消費税:100万(建物×税率10%)
- 総額:5,500万(税込)
という具合です。
総額に占める建物価格が低いほど消費税が少なくなります。売主は消費税を納める立場ですので、消費税は少ない方が良いという見方もできます。
では、意図的に建物価格を低くすることは認められるものなのでしょうか?
もちろん、そのようなことはできません。
建物価格を算出するためには根拠となる考え方がいくつかあります。その中でも一般的に使われるのが、土地、建物それぞれの固定資産税評価額で按分した割合とする方法です。
固定資産税評価額は公の評価ですので、意図的に低くすることはできません。
例えば、
- 土地評価額:2,000万
- 建物評価額:200万
の一戸建てを売買するとした場合を考えてみます。
土地と建物の評価額割合は90.9:9.1です。この割合を売買価格に当てはめます。
5,500万(税込)だとしたら、
- 土地価格:5,500万×90.9%=4,999.5万円
- 建物価格:5,500万×9.1%=500.5万(税込)
- 建物価格(税別):500.5万÷1.1=455万
- 消費税:500.5万ー455万=45.5万
となります。
そもそも中古住宅に消費税が課税されるケースは限られています。
もし課税されているとしても売買価格全体から見れば大きな税額ではありません。
資産価値を心配される方も、少しは安心していただけたのではないでしょうか。