値引き交渉

中古住宅では値引き交渉することができます。

そもそも、販売価格自体、売主が自由に決めているものなので、価格を下げることも売主が自由に行えます。

売主の事情にもよりますが、長期間販売を行っていても売れなければ値段を下げます。

ちょっと予算オーバーだけど、値引きしてもらえるならぜひ購入したい、という物件があったとしたら、みなさんはどうしますか?

値引き交渉しても応じてくれるか分からないし、売れなければ値段が下がるのだからそれまで待つ人。

言うだけならタダだから、電話して値引きしてもらえるか聞いてみる人。

売主は販売にあたって値引き交渉があることは覚悟していることが多いです。

中古住宅の取引とはそういうものだ、と仲介の不動産会社から聞かされているようです。

だからといって、値引き交渉に応じるかどうかは売主のその時の気持ちによるところが大きいのではないでしょうか。

では、成功しやすい値引き交渉のタイミングはあるのでしょうか?

問い合わせ段階での値引き交渉は絶対NG

値引き交渉といっても、売主に直接交渉ができるわけではありません。

売却依頼を受けている不動産会社を通じて値引きの打診をすることになります。

まだあなたが何者であるかもわからないのに、いきなり問い合わせの段階で値引きの可能性を聞かれても、まともな不動産会社は相手にしません。

もし問い合わせの段階で不動産会社が値引きについて前向きなことをいうのであれば、それはその物件を売りたいのではなく、他の物件を紹介したいと思っているからです。

真剣に検討していることが不動産会社に伝わらない限り、値引きの打診はしてもらえません。

内覧時、内覧直後の値引き交渉は売主に悪い印象を与える

まれに、内覧時に物件の悪い点を指摘する人がいます。

また、近くで販売中の物件を例に出して、あっちのほうがここが優れている、などと指摘する人もいます。

狙いとしては、「だから今の価格は高い。もっと安くしてくれ」という前フリのつもりで言っているようです。

客観的に考え、確かに割高であってもっと安くないと売れない物件だったとしても、交渉上手とはいえません。

中古住宅の売主の多くは一般の個人です。

ビジネスで売っているのであれば採算を考えて、利益が出れば売るという判断はあります。

しかし、個人の売主の場合、何年、何十年も住み続けてきた思い入れのある家を悪く言われて気持ちが良くはありません。

そんな相手には満額でも売りたくない、という考えの売主もいます。

値引き交渉は理屈ではなく気持ちです。

値引きの了解がもらえたら契約する、というタイミングがベスト

内覧が終わり、数日じっくり考えて、いざ申込という段階で値引きの相談をするのがベストタイミングということでしょうか?

いえ、まだベストタイミングではありません。

住宅ローンの事前審査承認が得られていない段階では、まだ契約ができるかどうか分かりません。

ベストタイミングとは、住宅ローンの事前審査承認が得られた直後です。

不動産会社からみても、あなたが決断すれば契約になるため、値引き交渉にも力が入ります。

それに、ここまで手続きを進めてきて契約にならなければタダ働きになってしまうこともあり、不動産会社も真剣です。

売主としても、値引きをせずにもうしばらく他の買主が出てくるまで待つのか、それとも値引きをして売るのか、2者択一の判断ができます。

これが住宅ローンの事前審査前だと値引きを決断しても確実に買ってくれるかどうかわからないため、不動産会社としては決断を迫れません。

売主、不動産会社の立場で考えれば、判断しやすいタイミングは住宅ローンの事前審査承認後ということです。