現金

成功しません。

現金で買うから安くしてくれ、という交渉を持ち出すのは自営業の方や企業経営の方に多いように感じます。

一般的な商習慣では、即金で支払うことをアピールして値引きを迫ることは交渉術としてよくある話です。

同じ感覚でいけば、不動産は大きなお金が動くこともあり、それを即金で買うのだから売主は嬉しいはず。

その分、値引き交渉に応じてくれるのではないかと期待しているわけです。

でも、その論法で交渉が成功することはないでしょう。

そもそも、不動産の売買では現金で買うかローンを使って買うか、の2択です。どちらにしても、売主には決済時に一括してお金が入ってきます。

割賦販売(分割払い)ではありません。ローンというのは、買主は分割で支払いますが、売主は全額一括で受け取ります。

ローンで買うといっても、決済が1-2か月後になるだけであって、不動産売買の通常のスケジュールで考えれば遅いわけではありません。

つまり、現金買いをしてもらっても、売主にとって大きなメリットがないのです。

例えば、決済が1か月後ではなく、3日後になったとします。経済的なメリットとしては、決済が早まる分の固定資産税日割り精算額が節約できた、というくらいでしょうか。

売主が売ったお金で債務を返済しようと考えているなら、早く債務が返済できるためその分の利息が浮きます。

約1か月分の利息の節約です。

これらを考えてもらえばわかる通り、現金買いだからといって何十万、何百万と値引きするほど、売主にメリットはありません

現金買いだから安くしろ、という交渉は、逆に、何も理解していない強欲な人です、といっているようなものなので絶対やってはいけません

不動産会社からも呆れられしまい、まともに相手にされなくなるかもしれませんので気をつけてください。