銀行通帳

一般的な中古住宅の売買契約書では、契約締結と同時に手付金を支払うこととしております。

つまり、売主・買主が対面のうえ、契約書に署名捺印を済ませて、買主から売主に手付金を支払うことになります。

これらの手続きを同時に行うことなるため、契約書の署名押印を済ませて、後日手付金を支払うということは認められません。

(手付金を後日支払うことを当事者が合意すれば問題ありませんが、仲介をする不動産会社は同時支払いを求めてくる傾向があります)

手付金を持参するのか、振込とするのか、事前に相談・説明を受けるため慌てることはありません。

しかし、うっかりしていると落とし穴にハマってしまいます。

現金の出金には1日の限度額がある

銀行の窓口で出金するのであれば問題ありません。しかし、ATMでは限度額があります。

大きな現金を引き出した経験がある人は少ないこともあり、うっかりしていると現金の準備ができない事態になります。

特に最近では銀行の窓口が混雑しているため、近くのATMで済ませようと考えて、契約前日まで何の準備もせずにいると、限度額の問題で50万しか準備できなかった、ということがあり得ます。

銀行の窓口で出金するときにも、しばらく使っていないので銀行印がどれか分からない…ということも。

ネット(アプリ)振込手続きでも1日の限度額がある

振込手続きも同様です。銀行の窓口で振込をするのであれば1日の利用限度額制限はありませんが、窓口に行く人は稀です。

いまではネット・アプリを使って送金することが多く、また契約日となる可能性が高い土日でも手続きができるためとても便利です。

ここでも油断していると、振込ができないことがあります。

1日の振り込み限度額が設定されていることが多いためです。

その場で限度額を上げることができますが、いくらまで上げることができるのか確認しておかないと振込ができない可能性があります。

もし契約時に手付金の支払いができなかったらどうなるの?

中古住宅の売買では売主も買主も一般の個人のことが多いため、契約も土日に行われることが多いようです。

金曜日までに手付金を準備すればいいか、と思ってギリギリまで何もしないと、1日の限度額の関係で準備ができないことも珍しくありません。

そうなると、金曜の夜、または土曜の朝に「限度額の問題で手付金が準備できませんでした。どうすればいいですか?」という話を不動産会社にするわけです。

ここから先は不動産会社の仕切りの問題ですが、売主・買主に契約日に予定を空けてもらっているため、予定通りの日にちに集まって契約手続きを行います。

ただし、契約締結と手付金の支払いは同時になるため、契約書の日付は翌営業日としておき、その日に手付金を支払ってもらうことにします。

日曜日が本来の契約日であれば、翌日の月曜日を契約日として先に書類の記入を済ませてしまうわけです。

そして、月曜日に手付金の入金が確認できた時点で契約成立となります。

これであれば、再度別日を設定して集まる手間がかかりません。

とはいえ、手付金を振り込まない場合はどうなるのか?という問題や、日曜の手続き後に、当事者のどちらかがやっぱり契約したくないといった場合はどうなるのか?という問題があります。

こうなると大変ややこしいため、先日付の契約書取り交わしはおすすめできる対処方法ではありません。

ここは潔く、別日を設定して再度集まって契約をするのがいいのですが、それまでの間で当事者の気持ちが変ってしまうのではないかと不動産会社は不安になります。

それであれば、いっそ先日付で契約書を取り交わしてしまったほうがいいかもしれない…

このように不動産会社を悩ませないためにも、手付金の準備は慎重に、念には念を入れて確認しておきましょう。